進撃の巨人の考察チームが考察しすぎている件
こんばんわ。皆さん最近、進撃の巨人読んでますか?
「謎が多すぎて途中でやめた」
「政権がどうのという話になってから読んでない」
という人、僕の周りにめちゃくちゃ多いんですよ。
いや~~もったいない!!!
今、最新刊(2017年9月現在23巻)ではほぼ全ての謎が解き明かされています!!!
正確に言うと22巻で全ての謎がわかり、23巻では物語の収束に向かって最終章に突入しています(たぶん)。
作者コメントやインタビューによると、最初の頃は20巻までには終結するらしかったんですよ。それが長引いているのは引き伸ばしているわけでも結末を変更したわけでもありません。だんだんキャラに愛着が湧いてきて、世間の愛着の湧き方も尋常じゃなくて、もっとリアルに「人」に入り込んだときに全ての人が納得いくラストとなるよう味付けをしている最中...みたいなことを何かで作者が言っていました(たぶん)。
これが明かされたとき、「ああ、全ての希望が絶たれたバッドエンドになるわけじゃないんだ...!」と心底ホッとしました。
なので、途中で辞めてしまって読んでいない方!終わりもスッキリするはずなので、ぜひぜひ読んでください!こんなに作り込まれていて哲学的・歴史的な観点で考えさせられる作品は他にないです!!
考察チームがすごすぎる
さて、ここからネタバレ含むになるので、最新の97話まで読んでいない人は回れ右してくださいね。
といってもネタバレが主に書きたいことではなくて、タイトルの通り「考察チーム、考えすぎじゃね?www」って突っ込みを入れたかったんです。
進撃の巨人は月刊誌ですので、月に1度、作品を読んでから考察サイトに出かけて、コメント上でワイワイとあーでもないこーでもない、ここの伏線がどーのこーの...と語り合うのが給料日よりも楽しみです。
考察チームと僕が呼んでいるのは、そういったコメントに書き込む全ての考察家の人たち。
まず彼らの凄さを語るところから。
いや~~彼らには本当に頭が上がりません。「え、こんな伏線あった!?」とか「うっそここのシーンこいつ映ってたんだ...」とか関心させられてばっかりです。
個人的に考察チームに気付かされてびっくりしたことは、文字のこと。作者自身ものちのちコメントしていますが、進撃の巨人の世界は私たちの現実世界と鏡になっているパラレルワールドのようなもので、今までの歴史から成り立つ私たちの世界に似ているようで似ていない、裏側の世界の話...だそうです(たぶん)。
だから、進撃の文字は私たちの文字(カタカナ)が逆になって描かれています。壁内で使われている文字は文章が180度回転しており、ユミル文字は文字1つ1つが180度回転している...らしい。
そんなこと、読んでいるときには全く気付かず、「ユミルってやつが怪しいぞお」くらいにしか思っていませんでした。考察チームは本当背景の細かいところまで見尽くしています。
そしてその考察チームを満足させられるだけの伏線と回収をしている作者がまたすごい。
あとは最近で言うと、ライナーの故郷で何度か出てくる「後ろ姿の男」。これはすぐ考察チームに「腕章が左右逆になっている。何かの伏線だ」と騒がれており、そんなこと気付く!?と驚いたものです...。
その後、ファルコに転んでいるところを助けられますが、顔の描写がないことから「やっぱりこいつは怪しい」「髪が長いからエレンだ」「エレンに違いない」と言われていました。そして次の話(現時点での最新話)でエレンであることが判明するという凄さ...!!!マジかよ!
こんなにヘタ絵で有名な漫画で、主人公がもう1巻まるまる登場してない&2年後くらいの話&だから髪型も違うのになぜわかった!?って話です。
まあ22巻のラストで2年後のエレンが出てきて髪が長いのでそこはわかるんですけど。それでもこの考察を見たときには「マジで考えすぎですお疲れ先輩たち」と思っていたわけですが、これはすごい。すごかった。
でも考えすぎだよ!特にループ説!
それでも考えすぎだと思う代表的な例が「ループ説」。
進撃の巨人第1話のタイトルが「千年後の君へ」となっていることや、度々エレンに記憶がなだれ込んでくるところなど、「ループものなのではないか!?」という考察がずーっとされていました。
正直、んなわけあるかいっ!!という気持ちです。
ループってつまり、昔のキンキキッズ堂本剛主演ドラマ「君といた未来のために 〜I'll be back〜」みたいなものです(知らんがな)。
タイムトラベル的な話しってことですね。主人公が何度も何度も同じ時をタイムトラベルして、ループしまくってしまい、でも努力でなんとか別ルートへ抜け出す話。
これ、最近では22巻の回想でクルーガーがまだ生まれてもいない「ミカサやアルミンを救いたいなら」と発言したことからループ説がほぼ確定なのでは!?というコメントを多々見ます。
そんなわけない!!それじゃ夢オチと同じじゃないか!!!!
と思います。
もともと巨人を継承した人達には記憶が入り乱れるという件は確定していますし、クルーガーもその後「誰の記憶だろう」と言っています。
これは僕は、ループではなく昔の記憶の中でミカサ・アルミンという人がいただけなのではと思います。
正直ループの方がしっくりくるんですよここの台詞は。でも、作者が「しっくりくるから」って理由の伏線を置いておくかなあ?という深読みです。逆に。
アルミンはまだしもミカサの出生はまだ謎が多く、今後語られるであろう「壁に追いやられるに至った巨人大戦」のネタからタイバー家がどういうポジションだったのか、ミカサの家系である東洋の一族はどういうポジションだったのかが明らかになるはずです。
その件で、クルーガーの言う「ミカサ・アルミン」の記憶ネタはどっかしらで出てくると思うんですよねー...
ループ説よりもさらに雑な考察をすると、例えば巨人大戦でミカサとアルミンと巨人を継承している人が仲間で戦っていて、ミカサアルミン死ぬ、巨人の奴も死ぬけど継承してから死ぬ、みたいなシーンがあり、それぞれの家族へ「親の名前を継いで」みたいな言い伝えがあった...とかなんとかさ...
ループじゃなくてもなんとでもなると思うんですよ。とにかくループが嫌だ。オタクっぽい。そんなSF系のネタに走ってほしくない。
そのナチスの作戦の一つであるユダヤ人を島へ完全移送する「マダガスカル作戦」、
そのマダガスカルをひっくり返した形の島がエレンの住む壁内...
ここまでしっかり歴史をなぞってやっといて、SFってオチは酷いでしょ!!!
ループだったら全ての謎が「あ~そういうことか」で片付きますが、そんな強引なやり方をする作者じゃないと思う、ってのがループ説を否定する一番の理由です。つまり論破するだけの他のルートが思いつかないだけなんですが...でも断固違うと言いたい!
考えすぎだよ!血縁関係!!
そしてもう一つ考えすぎだぜ~と思うところは、家族関係です。
誰と誰が血縁関係なんじゃないか...みたいな考察ですね。最近では、ライナー父が実は○○(例えばクルーガー)だったんじゃないか!?みたいな考察が多く見られ、結局は普通の酷いマーレ人だったということがわかりました。
結果を見てから言ってもな~って思われるかもしれないですが、誰と誰が実は...みたいな血縁の考察って、カップル厨みたいで居心地が悪いんです非常に。
確かに、血縁が大事になってくる作品だということはわかります。リヴァイとミカサも言ったら血縁なわけですし、リヴァイとケニーも。あとはカルラ・イーターだったのが実はエレン父の前妻だったりとか。
でも、全部全部物語にしっかりと絡んでくる血縁なんですよ。いらない繋がりなんてなかった。
つまり、今から出てくる登場人物が「実はここと繋がってました~!」みたいな意味のないことするはずがないと思うんです。意味がないかどうかは今後の物語次第ではありますが、もうさすがに全部出尽くしているでしょ。後出しジャンケンを絶対しなそうな作者じゃないですか。
今のところ、明かされていないけど血縁があるんじゃないかと疑われているのは、エレン父の同胞であるグライスと、マーレ側の主人公であるファルコ・グライスがグライス被りなところ。
これは確かに何かありそう、いやないとおかしいと思います。逆に言うとこれ以外では今のところ全て考えすぎの考察になると思います。
考え過ぎちゃうよね、すごいもん
これって、これまでの進撃の巨人があまりに謎だらけで世界観すら全くわからないまま進んでったからだと思うんですよ。考察のしがいがあった。考察したらしただけ作品からレスポンスがあった。
でも今はほぼ世界は見えていて、最近の話ではライナー側で「ああこうだったんだ~」みたいなくだりをずっとやっている印象です。
これだけひも解いてくれてるんだから、もう考察とか正直あんまり必要ないんですよね。前のテンションのままぶっとんだ見解を言っていても「さすがにこっからひっくり返るのはない」と思ってしまいます。
そう考えると少し寂しい気もしますけどね...5巻くらいの、敵が全く何だかわからない時とか、それがブワーっと解決されてくグリシャの手記とか。それがもう全部終わって、綺麗にまとめようとしているところなんだと思います。
まとめというより、ここからはタイバー家の語りで昔の巨人大戦をひも解いて行って、そもそも巨人とは何なのか?マーレの中はどうなってるのか?そこから、世界を納得させてエレン達が幸せになれる未来はあるのか?ってところをやって終焉となるはずです。
いやあ...寂しい...こんな名作はもう出ないでしょう。歴史に残る名作だと思います。正直北斗の拳とかドラゴンボールみたいな、時代が時代だったからすごかったみたいな作品よりも、中身が練られている現代っぽい名作だと思いますね。他を下げるわけじゃないです、本当に感動しっぱなしということです。
愛されているから、考察チームもすばらしく、そして時に考えすぎてしまっている。だって好きなんだもん、ずっと考えていたいんだもん...大の大人をメンヘラ化させてしまう、すばらしき名作です。終わります。